この素晴らしき日本、なぜ“未来は暗い”と言われなければならないのか。
─── Profile
新卒入社した会社で売上no.1、複数ビジネス立ち上げ、成果を残した20代。
弁護士ドットコムの社会的価値創造とビジネスの成長に奔走した30代。
そして40代。より鮮明になった、「親子どもに胸を張れる仕事をしたい」という仕事観。
────── これまでのキャリアについて、教えてください。
新卒で入社したエン・ジャパンからイトクロ、オロと、求人広告からインターネット広告、そしてSaaSと扱うサービスは変わりましたが、一貫して法人営業としてのキャリアを歩み、プラットフォーム型ビジネスを創るところから関わりたくて弁護士ドットコムに入社しました。
前職の弁護士ドットコムは、「弁護士ドットコム」事業でクックパッドやカカクコム/食べログなどを主とするCGM(Consumer Generated Media)、「クラウドサイン」でSaaSという、時代を代表するビジネスドメインで2度大きな成功を実現し、現在も生成AIの社会実装で先頭を走っている会社です。
一度の退任を挟んで計12年間在籍し、上場からコロナ禍までは弁護士ドットコム事業の責任者として、創業者であり弁護士の元榮さんが描くビジョンをビジネス面で実現するのが自分の役割でした。
弁護士業界という限られた市場で社会的価値の創造とビジネスを成長させつづけるというミッションだったので、メディアによる集客支援から電話秘書サービス、HPの制作・運用、法律書籍のカタログ通販、業界啓蒙のための月刊誌発行など弁護士のためになることをすべてやろうと取り組んでいました。2019年には事業を引き継ぎ、取締役CSOとして全社の成長戦略を推進する立場に。直後にコロナ禍に入り、急激にニーズが顕在化したクラウドサイン事業の急成長にも立ち会い、結果として市場が大きく変わる瞬間を2度経験することになりました。
新卒で入社したエン・ジャパンもそうでしたが、わかりやすく明らかな社会貢献性の高い事業にチャレンジして「親や子供に胸を張れる仕事」を大事にする仕事観が確立されたと思います。
事業と会社の成長によって自身のさらなるチャレンジが生まれ、サポートを得ながら目の前の課題を必死で乗り越えていく過程で視界が広がり視座も高くなる。そんな経験を積ませていただいた弁護士ドットコムと創業者の元榮さん、そして社内外で関わりを持たせていただいた方々には本当に感謝しています。
40歳になるタイミングでなんとなく次のチャレンジを考えるようになりました。そんな中で2020年に、現mov社外取締役であり元弁護士ドットコムCFOの杉山さんから「面白いスタートアップがあるんだけどちょっと相談に乗ってくれないか?」とお声がけいただいたのがきっかけで、私も弁護士ドットコムの取締役在任中でしたが、アドバイザーのようなかたちで代表の渡邊誠さんと専務の菊池さんにお会いするようになりました。
当時の自分はある種燃え尽きに近い状態で、次に没頭できる事業や仕事を考えられなかったため、海外留学を考えていました。2021年当時はコロナ禍が収束せず、海外の大学の講義がオンライン化されてたこともあり結局留学は実現しなかったんですけどね。
留学の準備をしながら社外取締役や数社スタートアップの顧問を務めていましたが、打席に立っていない感を強く感じました。顧問は40代でやることじゃないなと。40代は自分が打席に立って、矢面に立って自身と事業の成長にコミットするほうがよい人生になると思いましたし、それが「親子どもに胸を張れる仕事」なのではないかと、改めて思いました。
この素晴らしき日本、なぜ“未来は暗い”と言われなければならないのか。
────── なぜmovへの参加を決めたのですか?
3年間社外取締役として接してきた代表の渡邊誠さんや専務の菊池さん、現CFOの諸見里さんなど共に働く人の魅力もありましたし、最も大きな理由はインバウンドという市場とmovのポジショニングでした。
イーロン・マスクのXでの投稿も注目されていましたが、恩師である弁護士ドットコムの創業社長であり、国会議員も経験された元榮さんからも良く話を聞いていました。「人口減で栄えた国なし」という言葉に象徴されるように「失われた30年」という言葉とともに、日本の未来が明るく語られることがありません。
世界の時価総額上位企業から日本企業は一掃され、東アジアでは「日本は安くて美味しい国」と認識されるようになった。ベトナム人シェフは「日本じゃ稼げないから」とベトナムへ帰ってしまい、海外旅行に行くとユニクロの衣料品が日本の二倍の価格で飛ぶように売れている。日本では目にすることが少なくなった人気の日本ウィスキーが大量に店舗や空港の免税店に置かれているのを見て、モノが買えない国になるのを実感。自分たちが生きてきた日本という国の豊さを自分たちの子供たちが享受できなくなるのは寂しいし、悔しい。子供たちが生きる日本という国を心物両面で豊かな国であってほしいと思ったし、自分たちの親や祖父母もそんな想いで働いていただろうなと思いました。
私は幸運にも弁護士ドットコムで2つの事業で日本一を経験しましたので、次のチャレンジは同等以上にやりがいを感じられることを求めていました。そこで興味を持ったのがインバウンドという市場です。外貨を稼ぎ、日本の経済発展に寄与できる可能性を模索したいと思うに至ったのです。
インバウンド産業を2030年に15兆円市場にしていくと、政府が掲げています。昨今は円安で市場の成長が加速していますが、元々のポテンシャルも高いと思います。食に関してはミシュラン星付き店舗数および人口あたり店舗数も世界一。都市別でもトップの東京をはじめ、大阪、京都も5位以内。美術や伝統工芸、伝統芸能などの文化や歴史的な建造物、美しい緑や雪山や美しい海などの風景と四季、自然を含めた観光資源は言うまでもありません。安全で清潔で国民のモラルは高く、水や鉄道等のインフラや製造業に象徴されるテクノロジーも優れていて生活しやすい国。なぜこの国の未来が暗いと言われなければならないのか。
でもインバウンド市場はまだ始まったばかりというか、まだ始まってもいないかもしれない。
言語対応や決済インフラをはじめとする受入環境整備やモビリティはすでに顕在化している課題ですが、インバウンド産業が今後も発展していくのに何が必要なのか、なにが課題になるのかもまだわからない。その状況下で、movは間違いなく重要なポジションに居ます。
弁護士ドットコムでも同様の経験をしました。弁護士をスマートフォンで検索して比較検討できるようになる現在は13年前には想像できなかったし、こんなに早く電子契約が当たり前になる世の中も、クラウドサインを始めた9年前には確信できませんでした。訪日ラボ、コンサルティング事業、そして口コミコムをすでに展開しているmovに、計り知れない可能性とやり甲斐を感じました。
movの素晴らしさは、”向き合う市場とポジショニング”だけではなかった。
──────入社して6ヶ月、どのように感じていますか?
入社して6ヶ月、COOの菊池の隣の席でインプットをさせてもらってきましたが、日本を代表する企業からの相談が毎日のように入ってきます。訪日ラボを運営していることに加えて、コロナ禍よりも前からインバウンドに取り組んでいたmovの実績と、高度な専門性を持つメンバーがいるからだと実感しています。
目標を達成したいという具体的な相談から、なにか取り組みを始めたいという漠然とした相談まで相談内容は多彩。movのメンバーは、事業会社や海外のメディアや広告代理店でインバウンドに取り組んでいたメンバーも多く、案件ごとにプロジェクトチームが組成されて活発な議論が行われている。この業界に入るのに大学院ではなくmovを選んでよかったと、心から思っています。
また組織や人の面について、私は現在全社員との1on1を実施中なのですが、サイバーエージェントさんのお話に共感して「素直でいいやつ」の採用を徹底しているというのを実感しています。「人間関係で悩んだことがないので、友人の仕事の悩みを理解してあげられない」という話を複数の社員から聞きました。
代表の渡邊誠さんはもともとご両親を大切にしていましたし社員に対しても情に厚い人だと思っていましたが、社員も家族と思っているように感じます。自分が社会人になった時に「テレビドラマで見るような素敵な家に住んで、楽しく気持ちよく働いて生活するって簡単なことじゃないんだ」と感じたのが原点らしく、やたらと家賃補助を手厚くしたがるんです(笑)
資金調達をして投資家の期待を背負って事業のグロースにコミットしている経営陣としては心苦しい感情を抱くこともありますが、渡邊誠さんの家族への想いを実現できるように、早く利益を出せる会社にしたいと思います。
movはこの1月でシリーズBの資金調達を完了しました。投資家のみなさまと接する機会もありましたが、movの成長実績と、それを支える財務戦略やアライアンス戦略、そしてインバウンド市場の可能性に大きな期待をいただいていると感じます。実績面で特に顕著なのが、SaaS事業における低いチャーンレートとクライアントからのmov愛です。サービスに関するNPS調査では「このサービスがなくなったらとても残念に思う」という回答が多く、それが社内でも共有されて、Slack上でプロダクト開発部門のメンバーも喜んでいるのが微笑ましく誇らしいです。
当社のプロダクト開発部のメンバーからは、「movでの仕事は、顧客に使って喜んでもらえる開発が出来ているのが嬉しい。前職ではニーズや背景も不明なままに開発をさせられ、サーバー上にゴミを増やしていたようなものだ」などという話も聞きました(苦笑)
可能性が大きな市場で、会社の仕事に幸せを感じているメンバーとともに、自分の関心ある分野で日々最新の情報に触れながら自分の知見を活かしてmovの成長に寄与できるこの仕事環境はとても充実しています。顧客提供価値にコミットして日本のポテンシャル最大化のために仕事をするこの仲間たちと共に、偉大な会社を創り日本の未来に貢献したいと思っています。
最後に
今回のシリーズBでの資金調達により、movの事業基盤は一層強固になりました。さらなる事業成長に向けてさらに積極的な投資を行い、既存事業のスケールと新規事業開発を加速させていきます。
movは現在ほぼすべての職種で求人を公開しており、今回の資金調達を機にさらに採用を加速させていきます。
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