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日本初の通信キャリア・IT系4社からの資金調達を経て、次なるフェーズへ

はじめまして。株式会社movの代表をしております、渡邊と申します。

この記事では、「今回のシリーズBでの資金調達を皮切りにmovはこれからなにをしようとしているのか?」を記載したいと思います。


今回の資金調達

2024年10月2日にプレスリリースを出させていただきましたが、movはシリーズBのセカンドクローズにて、Z Venture Capital様からの資金調達を行いました。

この資金調達により、NTTドコモグループ、KDDIグループ、楽天グループ、ソフトバンクグループ(LINEヤフー)の各CVC(コーポレートベンチャーキャピタルの略)から出資いただけたことになり、movは“通信キャリア・IT系CVC4社からの同時出資を実現“できた、日本で始めてのスタートアップ企業ということになります。

movは日本初となるNTTドコモグループ、KDDIグループ、楽天グループ、ソフトバンクグループ(LINEヤフー)のCVC4社から同時出資を受けました

また、2024年5月のシリーズBのファーストクローズでは、全ての既存株主の追加投資のみで約15億円の資金調達をしております。

movは、シリーズBのファーストクローズで全ての既存株主の追加投資のみで約15億円の資金調達をしました

実はこちらのファーストクローズの資金調達の形も非常に稀で、通常新たに資金調達をする場合には、新しい株主からも出資していただくというのが一般的で、既存の株主が追加では出さないという意思決定をされることも多いのが実態です。

それは「今後もこの会社に投資するメリットを見いだせない」「一度資本関係を結んでいるのでシナジー創出の観点から追加出資をする意味がない」などの理由で、VC側が継続して追加出資をするビジネス上のメリットが薄まっていくからです。

しかし、我々の場合「いままでの実績」「今後の成長可能性」「ビジネス上のメリット」など様々な観点でご評価いただけたことが、既存株主のみから15億円の資金調達を実現できた理由かと思います。また、今回のセカンドクローズにてご出資いただきましたZ Venture Capital様からも「いままでの実績」「今後の成長可能性」に加え「アライアンスによる媒体側への価値貢献」などをご評価いただけたことがご出資につながっていると伺っております。

これらのファーストクローズ、セカンドクローズでのシリーズBでの資金調達は、ともに良い結果を残せたと考えておりますが、それは会社のメンバーがしっかりとお客様と向き合い実直に数字を伸ばしてくれたことや、優秀なコーポレートのメンバーが真摯に既存VCや新たなVCとコミュニケーションを続けてきてくれたおかげだと思っています。

そのため、私としては資金調達が実現できたこと以上に、資金調達を通じてVC様や大手企業様に社内のメンバーを高くご評価いただけたことだと感じており、本当に嬉しく思っています。

現在の事業領域

movではすでに複数の事業領域を展開しているため、このステージの企業としては珍しい企業かと思います。

現在運営しているのは、創業当時から運営している事業の「インバウンド支援領域」、もう一つが資金調達をしていくきっかけとなった事業「店舗支援領域」です。
それぞれ簡単に事業のご紹介をさせてください。

・インバウンド支援領域

インバウンド支援領域のメイン事業は「訪日ラボ」というメディアの運営です。訪日ラボはインバウンド専門のビジネスメディアとして2015年の会社の創業と同時に運営を開始しました。9年たった今では国内最大級のインバウンドビジネスニュースサイトに成長し、Googleニュースやスマートニュースなどでも記事が配信されています。

業界最大級のインバウンドビジネスメディア「訪日ラボ」

メインターゲットは国内企業の「インバウンドで売上を伸ばしたい企業の担当者様」。
彼らの「インバウンドがわからない、インバウンド対策を始めたい」というニーズに対して、訪日外国人の国籍別での来日数や入出国に関するルート情報、都道府県ごとでのインバウンド状況など様々なインバウンドに関わるデータを配信すると同時に、日々のニュースにて「政府の方針や動向」や「インバウンドに関する補助金の情報」、「インバウンド対策におけるノウハウ」など様々な記事を配信しております。

「訪日ラボ」の主力コンテンツ 都道府県別インバウンドデータ

これらインバウンドに関する情報をご提供しているため、インバウンドに関するお悩みを抱えた企業様から、毎日のようにお問い合わせをいただいております。
それらの企業様に対して、課題や立地、ご予算などを考慮しインバウンド戦略やインバウンド対策の立案・実行をさせていただいているのが、インバウンド支援領域の2つ目の事業、インバウンド専門の広告代理事業です。

インバウンドにおけるインフラとしての情報提供と戦略立案・施策の実行までを一気通貫で行うのが我々のインバウンド支援領域です。

・店舗支援領域

店舗支援領域ではGoogleマップやグルメサイト、共通ポイントシステムなどのお店が使うあらゆる集客ツールの一元化プラットフォーム「口コミコム」の運営をしています。

店舗向け集客一元化プラットフォーム「口コミコム」

口コミコムを通じて、店舗情報の一括更新や口コミの管理や分析の一元化、インバウンド向けの多言語翻訳など、店舗に関するあらゆる集客ツールの管理運営を一括で行えるプラットフォームです。
サービス開始以降順調に成長を続け、クライアント数や規模、施策の深さなど毎日のようにサービスの成長を実感できています。

もともとはインバウンド対策の一環としての「外国人が使う日本で使うマップアプリ、口コミサイト、観光サイトの一元管理プラットフォーム」として始めたサービスではありますが、コロナ禍を経て実際の様々なクライアント様からの声を反映させ、今では国内のグルメサイトや共通ポイントシステムなど「インバウンドだけじゃなく国内マーケティングにも欠かせない」店舗向けのプラットフォームになれているのではないかと思っています。

これらの事業は、一見別々なことをやっているように見えるかもしれませんが実は密につながっておりmovの今後の展開を話していく上で重要な要素となります。

なんのための会社、なんのための仕事なのかー日本をあきらめたくない

昨今、「日本に希望が持てない」「日本衰退」「日本オワコン」などと言った言葉をよく目にしてしまうのではないでしょうか?
たしかにそういったことを感じるシーンはあるかもしれませんし、様々なデータを見てみても日本の勢いがなくなってしまっているのは残念ながら事実です。

例えば世界時価総額ランキングで見てみると、1989年は日本企業が上位を占めるが、2024年は全くと行っていいほど上位に入っていない

しかし、我々はインバウンドを中心に様々な業界を客観的に見てきましたが、多くの業界で「日本はまだまだポテンシャルに溢れている」「まだ盛り返せるチャンスはある」と感じています。
「インバウンド」「日本の化粧品や医薬品」「日本の漫画やゲーム」「キャラクターなどのIP」「バイクや自動車」パッと挙げられるだけでもこれらのような産業は世界でも第一線で活躍しており、今後も更に成長していく領域だと思っています。
今、日本全体に悲観的なムードが漂ってしまっていますが、我々は事業を通じてそのムードを変えていきたいと思っています。

そのためにまだまだ日本人が気づけていない、ポテンシャルのある産業、領域の裏方としてしっかりとサポートし外貨を稼ぐ企業をこれからも増やしていきたいと思っています。

我々は「日本のポテンシャルを最大化する」という使命を掲げています。
「自分たちの事業が、誰かあるいはなにかのためになるのであれば、日本のためになることをしていたい」我々はそういった思いで”日本を支える企業”を後方で支える事業を展開していく予定です。

今後も伸びるインバウンドの可能性

2013年に東京オリンピックが決まり、訪日外客数も初めて1,000万人の大台を超えインバウンド市場が盛り上がり始めました。

日本政府が「ビジット・ジャパン」として本格的に政策を打ち出した2003年当時は年間500万人程度しか来ていなかった訪日外国人が、今や4,000万人に迫る勢いで伸びています。
街を見回していても都心であれば訪日外国人を見ない日はないといえるほどコロナ禍を経て復調しています。

訪日外国人消費額を見てみても、政府による調査開始時の2011年当時8,135億円だった市場が今や8兆円に迫るスピードで成長しています。これは、コロナ直前の2019年比でもおよそ60%増加のペースとなっています。

日本政府が2016年に策定した「明日の日本を支える観光ビジョン」では観光先進国を目指すべく様々な施策とともに、2030年には訪日外客数6,000万人と15兆円のインバウンド消費額という目標を制定しています。現在約8兆円と言われているインバウンド市場ですが、今やコンビニ市場(約10兆円)に迫る勢いで、ここから約6年で更に約2倍まで伸びる非常に大きな産業です。

これは2000年代のIT産業や2010年代のインターネット広告市場を彷彿とさせる市場の勢いです。

また、インバウンド産業は輸出産業に含まれますが、輸出産業最大の自動車産業が2022年で約13兆円となっているため、インバウンド産業は今後日本最大の輸出産業となっていきます。
※なぜインバウンド産業が輸出産業かというと外貨を稼ぐという観点と、訪日外国人が「この間日本に旅行に行ってきて渋谷はこうで京都のお寺はこうだったよ」というのが観光の輸出と捉えられるため。

また、我々の試算ではインバウンド産業15兆円の市場となった際に、国内企業のインバウンド対策予算は全体の20%、約3兆円まで伸びると見越しています。
このインバウンド対策予算3兆円というのはいまや当たり前となっているインターネット広告費(2022年)とほぼ同額となっており、どれだけ大きな市場かは明らかです。

この大きな成長産業を軸足に今後もmovは事業を展開していきます。

インフラとしての訪日ラボ、店舗向けの起点が口コミコム。更に・・

弊社では今後も「日本のポテンシャルを最大化する」ために、様々な領域へ展開していく予定です。
まずは今回の資金調達を期に足元として以下の3つに力を入れていきます。

①インバウンドの情報インフラの整備

インバウンドの市場はまだまだ勃興期が故に様々な情報が錯綜しています。また、残念ながらインバウンドに詳しくないベンダーやコンサルタントによる正しくない情報に右往左往してしまう企業も多く見受けられます。
インバウンド市場やインバウンド対策における多くの情報を整備し、国内の企業様のリテラシーを上げるためにインフラ情報の整備や発信は今後も力を入れていきます。

②インバウンド消費の起点となる店舗の可能性を広げる

訪日外国人のインバウンド消費におけるほとんどが店舗での消費(宿泊33%、飲食22%、買物代31%、その他14%)になります。
訪日外国人における店舗での顧客体験をアップデートするために口コミコムの領域を広げ、より強化していきます。

③ポテンシャルが顕在化している事業領域への展開

業界に共通する課題を見つけプロダクト化するというのはマーケットインでのプロダクト開発をする上でとても重要です。
店舗事業者での共通課題を元にしたサービスが口コミコムだったように、メーカー、IPなどの様々な領域においても新サービスを生み出していきます。

最後に

今回のシリーズBでの資金調達により、movの事業基盤は一層強固になりました。事業成長に向けて、今後はさらに積極的な投資を行い、事業のスケールを一気に拡大させます。

movは現在、ほぼすべての職種で求人を公開しており、今回の資金調達に伴いさらに採用を加速させていきます。



ご連絡をお待ちしております。